はじめに:冬のコートで感じる不安な痛み
寒い季節のテニス、皆さんも経験があるのではないでしょうか?
「最近、寒くなってから股関節が痛くて思いっきりプレーができない…」
「サーブを打つときに股関節に違和感がある…」といった声をよく耳にします。
私は久保整骨院の院長として、これまで30年以上にわたり、多くのテニスプレーヤーの方々の治療に携わってきました。
特に冬場は股関節の痛みを訴える患者さんが増える傾向にあります。
今回は、寒い季節に多発する股関節痛の原因と、すぐに実践できる対処法についてお話しします。
冬の股関節痛が起こる3つの主な原因
1. 寒さによる筋肉の硬直
冬場は気温の低下により、股関節周りの筋肉が硬くなりやすくなります。
特に練習開始直後は、筋肉が十分にほぐれていない状態でプレーすることで、股関節に余計な負担がかかってしまいます。
2. 急激な動きによる負担
テニスには急な方向転換や、サーブ時の大きな股関節の動きが必要です。
寒さで固くなった状態でこれらの動作を行うと、股関節周辺の筋肉や腱に過度な負担がかかり、痛みの原因となります。
3. 地面の固さ
冬場は地面が凍結して硬くなることがあります。
このような硬いコートでプレーすると、通常以上に股関節への衝撃が強くなり、痛みを引き起こす可能性が高まります。
よくある質問:Q&A
Q:ウォーミングアップはどのくらいの時間するべきですか?
A:冬場は通常の1.5倍、最低でも15〜20分はかけることをお勧めします。
Q:痛みを感じたらすぐに練習を中止した方がいいですか?
A:軽い違和感程度であれば様子を見ながら継続できますが、強い痛みを感じた場合は無理をせず、その日は中止することをお勧めします。
股関節痛を予防・改善する3つの方法
1. 入念なウォーミングアップ
寒い日は特に丁寧なウォーミングアップが重要です。以下の手順で行いましょう:
– ジョギングから始めて体全体を温める(5分程度)
– その場足踏みでさらに下半身を温める(3分程度)
– 股関節を大きく回す運動(前後左右各10回)
2. 簡単ストレッチ3種
①バタフライストレッチ
– あぐらの形で座り、足の裏を合わせる
– 膝を軽く押さえながら30秒キープ
– 1日3回行うのがおすすめ
②もも裏ストレッチ
– 片足を前に伸ばして座る
– 上体を前に倒し30秒キープ
– 左右の脚で各2回ずつ
③股関節まわしストレッチ
– 四つん這いになる
– 片足を横に開いて30秒キープ
– 左右交互に2回ずつ
注意点としてストレッチ中に痛みや違和感を感じたら、無理せずに中止するか違うストレッチにしてください。
3. 適切な防寒対策
– 化繊素材のアンダーウェアの着用
– 股関節周りを温めるサポーターの使用
– 練習の合間に羽織れる防寒着の準備
まとめ
寒い季節のテニスでも、正しい知識と対策があれば股関節痛を予防することは可能です。
特に重要なのは:
- 入念なウォーミングアップ
- 適切なストレッチ
- しっかりとした防寒対策
この3つを意識して対策をしてください。
痛みが続く場合は、我々専門家に相談することをお勧めします。
久保整骨院では、お一人お一人の症状に合わせた治療プランをご提案しています。
最後に一言。「痛みは我慢するもの」という考えは危険です。
早めの対策と治療で、冬でも快適なテニスライフを楽しみましょう。
(柔道整復師・鍼灸師・あんまマッサージ指圧師 久保修一 監修)