「40歳以上で肩が痛いから四十肩」ではない?
「最近肩が痛くて…四十肩かな?」
症状名に年齢が付いているためか、肩が痛むと四十肩・五十肩と自己判断しがちですが、実は四十肩・五十肩には明確な条件が決められていることをご存知でしょうか?
- 夜眠れないほど肩がうずく
- 手が後ろに回らない
- 肩が動く範囲が極端に狭い(可動域制限)
この3つ当てはまらないと四十肩・五十肩とは言えません。
当てはまらない場合は、関節が炎症を起こしている、関節の腱が硬くなって動きが悪くなっているなどの可能性が考えられます。
四十肩・五十肩が治りにくい理由
ただの肩の痛みの場合は関節のズレを戻し、身体の動きを良くすることで、一回の治療で良くなるケースは十分あります。しかし四十肩・五十肩の場合は、一回の治療ではほぼ完治しません。
私自身、治療家として20年以上の経験がありますが、四十肩・五十肩はどんなにすごい名人、達人の先生が治療をしても、4〜5回の治療では完治させられないくらい厄介な症状なんです。
それは四十肩・五十肩の場合、関節の中で炎症を起こし、腱が骨のように硬くなって肩の治りが悪くなっていることに原因があります。
時期によって治療が変わってきます
急性期の治療
四十肩・五十肩の症状が出始めてすぐの時期を「急性期」といい、急性期の場合は熱を持っていることが多いです。そのため四十肩・五十肩の急性期は冷やして安静にすることが第一です。
動かさないことが一番大切ですので、体を触ったりする治療も行いません。個人差もありますが、炎症が引くまでに最低約1週間から2週間かかると言われています。
慢性期の治療
炎症が治まったら、今度は関節の新陳代謝を良くしていく治療をおこないます。具体的には関節のズレを戻す治療です。
こうすることでエネルギーが通りやすくなって、骨のように硬くなった腱も患者さんの自然治癒力によって治っていきます。
四十肩・五十肩の治療は時間と根気が必要です
先述したように、四十肩・五十肩はどんなにすごい先生が治療されても、治るまでに時間と根気が必要な症状です。
特に急性期はうずくような痛みがあり、とてもつらいとおっしゃる方がほとんどです。また、炎症が治まり慢性期になってからも、なかなか可動域(動く範囲)が広がらずあきらめがちになりますが、正しい治療を行えば必ず良くなることも確かです。
四十肩・五十肩は症状が出始めたらできるだけ早めに治療をおこなうことが大切です。放置する時間が長ければ長いほど、痛みが治まってから動かしにくさが残ってしまいますので、四十肩・五十肩のつらい痛みや動かしにくさでお困りの方は、今すぐご予約ください。
(柔道整復師・鍼灸師・あんまマッサージ指圧師 久保修一 監修)